【目次】オーストラリアでファーマーになる。
概要
以前このサイトでよんでんグループの農業分野への取り組みを紹介しました。よんでんグループでは、電力制御で培ってきた技術をいかして、「電気屋さんが作ったトマト」というトマトを作っています。
- 2017/05/12 「【農業】作物栽培管理の負担を軽減したい~四国総研の取り組み」
よんでんグループのトマトには及びませんが、松原農園でもIoTを活用した栽培管理に取り組んでいますので、その一部を紹介します。
松原農園~アスパラ農家のグリーンアスパラガス
[blogcard url=”http://aspara-farm.info/”]
背景
松原農園では数年前から収穫量等の管理を行うシステム活用していました。
農園ブログより
- 農業日誌のWEB化対応(2012年10月10日付記事)
数年前はウェブで生産量を入力してデータを管理するくらいの機能しかなく、栽培管理は現場の作業者の勘に頼るほかありませんでした。しかし、少し前からIoTということばがちまたで聞かれるようになり、IoT製品も徐々に普及してきました。そのおかげで、それまではインターネットに接続して情報を活用する製品をつくるのにはかなりの技術と費用が要求されましたが、いまではある程度市販の商品を組み合わせることで少しの知識と予算で実現可能になりました。
松原農園のシステムも、IoT普及の恩恵を受けて、様々な情報をとりこみ活用できるようになり、少しずつ変化しています。
システム全体のイメージ
ハードウェア構成
通信ユニット(親機)
WEBクラウド上のプログラムと農園内に設置したユニットとデータのやり取りを行うための中継ユニット(Raspberry Pi Wifi+Python&ShellScript+ZIGBEE通信モジュール)
センサーユニット(子機)
環境モニタに必要なセンサーを接続してデータを収集するためのユニット(Arduiono+各種センサー+ZIGBEE通信モジュール)
制御ユニット(子機)
環境を制御するため装置を接続して装置を駆動するためのユニット(Arduiono+駆動モジュール+ZIGBEE通信モジュール)
RaspbetrryPiやArduinoなど市販の超小型PCやワンボードマイコンを利用して通信ユニット、センサーユニットを試作し、システムの試験・評価を行っています。
どんなことができるのか?
栽培の見える化
・センサーユニットで収集した生データや加工データまたは一定の実績データ(収量等)をわかりやすいグラフで見える化します。
・定期的にまたは指定された条件で作物の状態を写真にキャプチャしているのでいつでも必要な時に確認できます。
・スマホやタブレットから専用のウェブサイトにアクセスするだけで最新の環境データや実績データ(収量など)をすばやく参照できます。
・ハウス内状態の変化(温度の情報など)をメールやラインを利用して通知します。
広い圃場でも設置が可能
●通信ユニット(親機)とセンサーユニット(子機)はZigBee無線通信※を利用しています。ZigBeeユニット間の伝達距離は最大100mですが、 子機から子機にバケツリレーのようにセンサーデータを伝達できるため、圃場の広さに関係なくセンサーユニットを設置しデータを収集することが可能です。
※ZigBee無線通信は次の特長があります。
下図は、ZigBee無線通信(アドソル日進)より引用させていだたきました
●離れたハウスでも複数のハウスでも簡単に設置が可能です。
容易なユニット増設とソフトウェアの拡張性
いくらハードウェアが無線に対応していて設置が簡単でも、設備の配置を変更するたびにソフトウェアのメンテナンスが必要であれば意味がありません。拡張性を考慮したソフトウェア設計をしているため、必要な時にいつでも設備の配置やユニットの増減が可能です。
また、 センサーから送られてくる生データを平準化または加工したり(Ex 温度データと湿度データから作物のストレス指数を作成)、センサーデータを一定の条件で判定して設備を駆動したり(Ex 土壌が乾いていてかつ地温が上昇している条件で潅水ポンプをONするなど)といった複雑な条件や処理手続きさえも、ウェブ画面で修正や登録ができます。
一つの通信ユニットに対して複数のセンサーユニットのデータを収集または接続された設備を制御することができます。
また複数の通信ユニットを設置することができますので、圃場の形態により自由にユニットを構成することが可能です。
●1台のセンサユニットには、さまざまなセンサーをつけることが可能です。現在は下記のセンサーを取り付けて評価を行っています。
①温度センサ
①湿度センサ
②土壌温度センサ
④照度センサ
⑤土壌水分センサ
多様なサービスに連係
IoTの普及に伴ってさまざまなサービスが提供されるようになってきました。 いいサービスであれば少し費用がかかっても自前で開発するより、結局はお得かもしれません。お試し程度であれば無償で使えるサービスも数多くあります。 まずはこのような無償版を利用して評価を行い、今後利用価値があると判断できれば有償版にアップグレードするという選択肢もあります。
M2X(AT&T提供のIoTプラットフォーム)
現在、AT&Tが提供しているIoTプラットフォームサービス「M2X — Built for Industrial Grade IoT」に連携しています。
LINE Bot
LINE社は2016年10月にLINE BOT用メッセージAPIを公開しました。これにより、LINEアプリのインターフェイスを利用してデータ受信や制御が可能になります。当システムでも試験的に簡単なセンサー情報等のデータの取得や、温度急上昇時の通知をLINEアプリでしています。
どんなメリットがあるのか?
まずはこちらが先のはずですが、これをつかうことでどんなハッピーなことがあるのか考えてみました。
収量の変化を予測する
天候により不安定になりがちな作物の生産量ですが、
害虫や病気を予防する
温度の上昇や湿度の変化により、
品質を向上する
地温や土壌水分量など潅水の判断に必要なデータを判断して最適な
収集データを分析して生産量アップにつなげる
最近はビッグデータを扱うサービスがいろんな方面から出てきていますので、データから問題点を抽出して生産量をアップするための改善策をとることが可能になってきました。収集したデータを活用して生産量のアップに活かすことができます。
課題
IoTとのインターフェイスを自前で用意するのではなく、sakura.ioなどのサービスを利用できるか検討する。
詳細はこちら
[blogcard url=”https://sakura.io/”]
[blogcard url=”http://knowledge.sakura.ad.jp/knowledge/7822/”]
参考